どうも、むうです!
いつも僕の投稿をご覧いただきありがとうございます!
前回は「学級・学校の荒れ」というテーマで、学級経営について以下のような記事を書きました!
まだ読んでいないという方は、ぜひご一読ください(^^)
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さて、今回のテーマは「体育指導の設計」についてです。
あなたがお勤めの学校は、毎年行われる体力テストで全国や都道府県の平均を超えていますか?
僕が勤めていた学校は、残念ながら超えるどころか、どの種目も平均よりも低い結果でした。
当時、体育主任として勤めていた僕は、この結果を重く受け止めて、どうすれば平均に近づけることができるかを考えていました。
そして、数年かかりましたが、平均に近づくどころか平均を上回る結果を手にしました。
もちろん、運動能力が高い学年もあればそうでない学年もあるので、「その年だけなんじゃない?」と思われる方もいらっしゃると思います。
実際、僕自身も「この学年は運動能力が…」と思う年もありましたし、結果を見て「仕方がない」と思うこともありました。
しかし、体育を任されたからには「どないかして体力テストの平均に近づけんとあかん!」と思い、全学年のデータを表にまとめ、5年分の結果を縦に見て分析してみました。
すると、僕が勤めていた学校の“弱さ”が見えてきました。
たしかに、学年によってバラつきはあるものの、数値が低い種目は似通っていることに気づきました。
今回の記事は、そうした僕の実践録です。
ここに書かれていることは正解というわけではなく、分析した結果をもとに仮説を立てて検証した結果ですので、参考程度にお読みいただければと思います。
1.体力テストの結果を伸ばすことが目的になっていないか?

さて、毎年初夏に実施される体力テストですが、皆さんは自校の結果をご存知でしょうか?
体力テストの結果は、体育科において子どもたちの得意・不得意が把握できる非常によい参考資料となります。
しかし、ここで一つ考えてほしいことがあります。
体力テストで平均を下回った種目だけを練習して、本当に子どもの運動能力は伸びるのかということです。
例えば、長座体前屈。
体が硬い子どもには、「お風呂上りのストレッチ」を宿題に出してご家庭に協力いただければ、記録はカンタンに伸びるでしょう。
しかし、その運動を継続できるか、そもそも全員がちゃんとやるか(できるか)、そう考えると非常に不安定なものとなります。
継続できなければせっかく身につけた柔軟性は徐々に低下していくでしょう。
そのうえ、担任の先生は毎年変わることがほとんどです。
その時の担任が一生懸命に取り組んでも、翌年度にその指導が引き継がれなければ、継続的な成長にはつながりにくいでしょう。
つまり、目の前の記録を伸ばすことだけに注目していても、結果的にその場しのぎになってしまう可能性が非常に高いです。
では、どうすれば良いのか。
それは、一つの種目の記録を伸ばすことではなく、子どもの運動能力そのものを育てるための系統立てた指導と、体育科の運動の奥にある動きを見ることが非常に重要です。
2.目の前の種目ではなく、奥にある動きを見る

「長座体前屈の数値を伸ばしたい」
この課題を解消するために真っ先に思い浮かぶのは「ストレッチ」でしょう。
かといって、体育の授業をまるまる「ストレッチ」に使う先生はいないと思います。
ここでよく考えてみて欲しいんです。
体育科にはさまざまな運動がありますが、どの運動にも「ストレッチ」は欠かせませんし、準備運動でもケガ防止のための柔軟運動はしているんです。
つまり、子どもたちは一年間を通して「ストレッチ」はやっているはずなんですが、その「ストレッチ」がちゃんと身についていない可能性が高いということです。
そこで僕は、準備運動で取り入れて欲しい運動や効果的な準備運動の流れを1枚にまとめ、ラミネートして体育館のカギをかけるところと運動場の出入り口につるしました。
そうすることで、準備運動の質をある程度均すことができました。
そしてもう一つ取り組んだのは、「動きを分解」です。
ソフトバレーボールを例に挙げて話を進めていきます。
ソフトバレーボールの動きには、「構える」「動く」「受ける」「つなげる」「打つ」といった動きで構成されています。
その中の「構える」と「受ける」の動きに注目してみてください。
どちらの動きも、足を肩幅よりやや開き、ひざを曲げて腰を落とし、つま先に体重を移動させるはずです。
つまり、「構える」と「受ける」という動きを分解すると、複数の身体機能が関係していることがわかると思います。
そこで、膝を外側に開いて低い姿勢になる運動や、その体勢のままカニさん歩きの様に股関節を左右に動かす運動を取り入れると、股関節の可動域が広がって柔軟性も向上します。
こうした運動は、ソフトバレーボールに必要な「構える」や「受ける」といった動きを改善するだけでなく、「走り幅跳び」や「跳び箱」などにも生かせるはずです。
そして、それらの運動の奥にある動きを確認するのが「長座体前屈」というわけです。
ただし、「長座体前屈」は、股関節だけでなく、骨盤の動きや体幹、膝の伸展、ハムストリングスなど複数の要素が関係します。
そのため、股関節を動かす運動が長座体前屈の記録が改善するかというとそうではありません。
複数の運動を通して、身体全体の動きを高めていくことが重要なんです。
だからこそ、今ソフトバレーボールを一例で取り上げたように、体育科ではさまざまな動きがあり、それぞれの動きに必要な力を考えることが大切だということです。
3.体力テストの結果から、子どもの課題を分析する

体力テストの結果は、単に平均点や順位を見るためのものではありません。
子どもたちの身体の特徴や、今後の指導を考えるための材料として活用するものです。
例えば、次のような視点で見てみてください。
- どのような動きが苦手なのか。
- 身体のどの部位に課題があるのか。
- 柔軟性に課題があるのか。
- 筋力に課題があるのか。
- それとも複数の要素が関係しているのか。
もちろん、体力テストの数値だけで「これだ!」と原因を特定することはできません。
実際に子どもたちが運動している様子を観察し、どのような動きに課題があるのかを確かめる必要があります。
例えば、長座体前屈の記録が低い子どもの場合で考えてみましょう。
その子は、本当に身体全体が硬いのだろうか。
股関節の動かし方に課題があるのかもしれない。
その姿勢を維持することすら苦しいかもしれない。
スポーツをやっている子とやっていない子で差はあるだろうし、どんなスポーツをやっているかでも柔軟性は大きく変わってきます。
・野球をやっている子は肩周りの柔軟性は高いかもしれない。
・サッカーをやっている子は股関節の動きはスムーズかもしれない。
・ダンスをやっている子は非常に柔軟性が高いかもしれない。
スポーツが違うだけでも、よく動かす部位が変わるので、当然柔軟性の違いも出てきます。
まれにスポーツを全くしていないのに柔軟性が高い子だっています。
つまり、数値や前情報だけで判断することはできないということです。
体力テストの結果だけを見て判断するのではなく、その背景にある動きを観察することが大切です。
4.子どもたちの日常生活にも目を向ける

もう一つ、忘れてはいけない視点があります。
それは、子どもたちが普段どのような環境で生活しているかということです。
あなたがお勤め(お住まい)の学校区を見渡してみてください。
公園はあるか。
その公園の広さはどれくらいか。
どんな遊具があるのか。
通学路や生活道路は坂道が多いか。
それとも高低差の少ない平坦な道か。
自転車で走り回れる場所はあるだろうか。
ボールを使って自由に運動できる場所はあるか。
どんな習い事があるのか。
どんなスポーツが盛んなのか。
こうした生活環境によって、子どもたちが日常的に経験する運動は大きく変わります。
日常的に経験する運動が変わるということは、体力テストの結果にも少なからず反映されます。
実際、僕が勤めていた学校の中には、山の上の方に建てられた学校がありました。
その学校に通う子どもたちは、毎日登山をしているようなものです。
当然、脚力がついていくので、50m走や立ち幅跳びの記録は平均よりも高かったです。
もちろん、家庭環境や地域環境だけで運動能力が決まるわけではありませんが、日常的に経験できる運動に違いがあるのなら、学校でどのような運動経験を補うべきかを考える材料になります。
学校は、家庭や地域による経験の違いを踏まえながら、すべての子どもに必要な運動経験を保障する場所でもあるので、目の前の子どもたちの実態を知ることがやはり大事だということです。
5.体育の授業に課題を改善する仕組みをつくる

ここまでの話を整理すると、体育の授業で大切にしたいことが見えてきたのではないでしょうか。
そうなんです。
他教科でも言えることですが、特に体育科では、子どもたちの課題に応じた運動を日々の授業に組み込むことが大切なんです。
例えば、球技の授業であれば、ゲームをする時間だけでなく、その運動に必要な身体の動きを育てる時間を確保することです。
柔軟性に課題があるなら、柔軟性を高める運動を取り入れる。
身体の連動に課題があるなら、複数の部位を連動させる運動を取り入れる。
筋力やバランスに課題があるなら、それぞれに応じた運動を考える。
もちろん、毎時間たくさんの運動を詰め込む必要はまったくありません。
むしろ、体育嫌いを助長させてしまうかもしれません。
だからこそ、授業のねらいと子どもたちの実態に合わせて、必要な運動を継続的に取り入れることが大切になってくるんです。
そして、学年が上がるにつれて、運動の内容や難易度を少しずつ発展させていくことで、単発の練習ではなく、学年を通して成長を積み重ねられる指導につながっていくんです。
ここで僕が工夫したことをお伝えします。
学校要覧に載せるための体育の年間指導計画とは別で、一年生から六年生までの体育の年間指導計画を縦に見れるようにし、同じ時期に同じ領域の運動を縦で揃えたことです。
これを作った理由は
・白線を一度引いたら他学年も同じ白線を使える。
・準備物も一度用意すれば1年生から6年生まで使える。
・他学年の運動を見ることで、その学年で培いたい力を再確認できる。
といった、準備時間の短縮や運動の系統性の確認ができるからです。
そしてもう一つ、それぞれの学年に合わせた運動例や実践例を各学年に配付したことです。
といっても、体育科の資料を活用しただけで、僕が作ったわけではありません。
その資料というのが、文科省から各学校に配付されている資料「小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック」です。
「小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック」はWebで見ることができるので、参考資料としてURLを貼付しておきます。
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これは冊子でも各校に配付されているので、よければ探してみてください。
「今あるもの」を有効活用することは、働き方の面でも大切な工夫の一つです。
まとめ.「体育を設計」するということ

これは体育に限った話ではありませんが、特に体育において目の前の現象だけを見ていては、本当の課題は見えてきません。
例えば、計算が苦手な子どもがいたとしましょう。
ただ計算問題を繰り返させるのではなく、どの段階でつまずいているのかを考える必要があります。
そうでないと、ただの苦行になってしまいます。
体育も同じです。
体力テストの記録が低かったから、その種目だけを練習するなんて苦痛でしかありません。
結果、体育嫌いを助長させることになってしまい、元も子もありません。
そのうえ、根本的な課題を見落としてしまうこともあり得ます。
だからこそ、子どもたちの動きを観察し、課題を分析し、必要な運動を考えること。
考えたことをもとに、先生方に情報を共有して同じ方向を向くこと。
そして、それを日々の授業に組み込んでいくこと。
子どもの能力を一時的に伸ばすのではなく、学年が上がっても成長が積み重なっていく仕組みをつくることこそ、僕が考える「体育の設計」です。
今回は体育について掘り下げましたが、いかがだったでしょうか?
僕の実践が誰かの参考になればうれしく思います。
よろしければ、感想や質問等をいただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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